浜松市積志・小杉縫三郎邸
浜松市東区積志町
竣工 大正時代
設計者 不詳
施工者 不詳
撤去 2012年頃
画 山城睦
『ふる里積志の風景』山城睦著 平成18年2月 発行より
山城睦氏は県立浜松工業高校土木科教員を長く勤め、余暇に書きためた地元積志地区の細密な鉛筆画46点をまとめて刊行した。平成14年から17年までの積志地区の農村風景や寺社、学校などの様子が精密なタッチで表現されている。「小杉家の西洋館」と題されたこの絵はその中の一点。
小杉縫三郎氏は明治から昭和初期にかけて織物業で財を成し、積志の地に工場、倉庫、母屋、蔵、女工宿舎などを建てた。上の鉛筆画は二俣街道側から見た母屋と女工宿舎で、裏に工場建屋と蔵が並んでいた。特に街道に面した女工宿舎は西洋館造りの印象的な佇まいを見せ、地域のシンボルとして親しまれていたが、惜しくも2012年頃、工場跡、母屋などとともにすべて撤去された。
母屋と西洋館
西洋館
左から蔵、母屋、西洋館
北側から見た工場と蔵、母屋
写真は2011年7月 撮影