明治維新150年を記念して、これまであまり取り上げられていなかった人物たちの展覧会が東京で開かれます。
「 三遠南信という地域をご存知でしょうか? 愛知県の東三河、静岡県の遠州、長野県の南信州の三つの地域にまたがるエリアを言いますが、この地域が生んだ「順天堂の佐藤進と繋がる学問の四大志士たち展」を「初めて」東京で開催します。今回は「佐藤進×丘浅次郎×山崎覚次郎×松本亀次郎×太田用成」に注目して、日本の近代化に貢献した偉人たちを取り上げる展覧会です。
首都東京においては、順天堂の佐藤進と繋がる学問の志士たちは「国難を救った善の歴史と遺産」があるにも関わらずこれまでほとんど知られておらず、この機会に少しでも多くの方々に知っていただければと考えて開催します。
佐藤進が李鴻章との親交を深め国難を救った「活人剣の秘話」や中国の周恩来・魯迅・秋瑾の恩師「留学生教育の父 松本亀次郎」などをご紹介したいと考えています。また医学・生物学・経済学・留学生教育・医学教育といった先達たちの血の滲むような地道な努力による業績は、現代日本において今も大いに役立っていることを忘れてはならないと考えています。
そこで今回、志士には「身を犠牲にして国や社会のために尽くそうという、高い志をもっている人」という意味から「学問の志士」と命名しました。
会場の「アートギャラリー884」は御茶ノ水駅からほど近く、順天堂大学・ 済生学舎(日本医科大学)・杏雲堂医院・湯島聖堂・昌平坂学問所・ニコライ堂などは、今回の偉人たちゆかりの地です。
この機会に三遠南信ゆかりの「志士たち」に触れていただき、清々しい(すがすがしい)善の風を感じとって頂ければ幸いです。
また今年は順天堂大学創立180周年、丘浅次郎生誕150周年、山崎覚次郎生誕150周年、のみならず丘・山崎両名がお世話になった坪内逍遥を讃える「早稲田大学坪内博士記念演劇博物館創立90周年」にもあたります。
坪内逍遥と南信州のご縁は深く、河竹繁俊(旧姓市村、坪内の紹介で黙阿弥の養子、演劇博物館長)・太田用成(医者で歌舞伎役者の手術や交流)・太田雅光(用成の子、浜松生まれ、歌舞伎絵師)・菱田春草(生家が太田用成の近く、坪内は日本美術院特別賛助会員)・日夏耿之介(早稲田大学教授)・皆川四朗(歌舞伎座社長)などネットワークが築かれ、伝統芸術の水脈が続いています。
そして「山崎・丘」ゆかりの松ヶ岡(旧山家住宅)を中核としたプロジェクトに首都圏においてもこの機会に賛同者が増えることを願っています。」